2005年04月29日

不条理(その2)

 周囲を見回すと、何と、土に塗れた金魚が、こちらを睨んでいるではないか!慌てて拾い上げてみると、あな果敢無や、無残にもカサカサに干乾びているではないか!つい先程まで元気で居たものを、一つの命の誕生の為に、もう一つの命を果敢無くしてしまった。
 実は彼には前科があって、春先の水替えの時、仮住まいのバケツから飛び出してしまったことがあった。その時は、気付くのが早かったため事無きを得て、水に戻してやると何事も無かったように元気に泳ぎだしたものだった。。。
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不条理(その1)

 今日、金魚が死んだ。
 僕の所為だ。そして、太陽の所為だ。
 同じ水鉢で飼っている緋目高のお腹が大きくなって、産卵期を迎えた。普段は仲良く一緒に泳いでいるが、餌を与えると、途端に金魚が獰猛になり、目高を追い散らす。夜店で買った何匹かの生き残りだけに、生命力が旺盛なのか、5a程の体長でも、さすがに目高には比べようも無く逞しく見える。この調子では、せっかく目高たちが卵を産んでも、彼の餌食にされては大変と、今朝、別の擂鉢状の水鉢に金魚を移して置いた。
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ギターは語る

 ある公立の盲学校で建設工事をしていた時の話。 昼休み、仕事仲間と世間話をしていると、隣の部屋からギターの調べが聞こえてきた。数人によるアンサンブル曲で、奏法テクニックも素晴らしい。 
 雑談を中断して部屋を覗いてみると、三人の生徒が輪になって演奏している。
 勿論、譜面台は無い。難しそうな曲なのに、すべて、暗譜しているようなのだ。 
 演奏が終わって、彼らは、部屋の戸口に立っているこちらに気付いた気配。
 わたしは思わず拍手をしていた。心を込めた、自分でも驚いた位、大きな拍手になった。。。
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posted by vino at 10:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ギターは語る(その2)

 彼らに、わたしは今度は心の中で拍手をしていた。
 その時聞いた曲が何であったか、残念ながら「...ギター協奏曲」としか覚えていない。
 ひとしきり話し終えると「また、聞いてください!」と言って、彼らは椅子に戻ると、三人で再びギターを奏で始めた。
 アー知っている、「禁じられた遊び」だ、アー良い曲だなぁー「アルハンブラ宮殿の思い出」だ!
 窓からは、春の暖かい陽射しが差し込んで、彼らを包み込んでいた。(アレは午睡のゆめだったのか?)
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2005年04月28日

山笑う(その2)

(前号から続く)
 夏の日、これらの雑木の木の下闇にハンモックを吊って、虫たちと語り合いながら、昼寝を貪るのが夢なのだが、さて何年先のことになるか...
 えっ!?「荘周の夢」ですって!?
posted by vino at 11:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

山笑う(その1)

 一際目立った山桜も、新緑の中に吸収されようとしている。“山笑う”と、春の季語にあるように、芽吹き時の山々は木々達が囁き合い、笑いあい、鳥が唄いで、頗る賑やかだ。
 3年ほど前に山採りして庭の片隅に植えた小楢の木に、今年初めて、団栗の花が咲いた。新芽が吹き出ると時を同じくして、5a程の玉簾状の花が30房程。こんな花から、あの愛らしい団栗がどのように結実するのか、観察出来るのが嬉しくてしようがない。毎朝、否、日に何度となく指で触れては戯れている。
 今から、台風の強風や、雷雨時の降雹などが心配で、どのように対策したものか。。。
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posted by vino at 11:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月27日

花は何処へ行ったの!?(その2)

エンジンの轟音!!
 アーッ!!タンポポが、タンポポが、自走式の草刈機で、アット言う間に消えてしまった。
 かくて、わたしの「黄色いハンカチ」ならぬ黄色い花たちは...何処へ行ったの!?
(昔なら,手刈りなら、菜の花でも蓮華草でもタンポポでも、せめて一群なりとも、道の辺にソット、刈り残してあったげナ...)
posted by vino at 15:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

花は何処へ行ったの!?(その1)

 近所の川の堤防に作られたアンツーカーの自転車道は、ウォーキングの公園への行きかえりに利用する格好のサイクリングロード。川の水も温んできて、ゆったりと流れてゆく。自然に生えた菜の花が一面に咲き乱れ、行き帰りの目を楽しませてくれる...
はずだったが...
 今日、草刈軍団が10人ほど,刈り払い機をブンブン振り回して、あっという間に、菜の花も,蓮華草も、酸模の若芽も何もかも、刈り払ってしまった。
 アー...
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2005年04月23日

或る雨の日に

 ○○通りを折れて、前を行くスタイルの好い女性の後姿を目で追うように、同じ方向のビルの谷間の横丁に入った。直後、その女性の手にしたコウモリ傘がフワリと浮いた次の瞬間、信じられない速さでビルとビルの間の道を吹き飛ばされて行った。いわゆるビル風に吹き上げられたらしい。
 アッ、と小さな叫び声が聞こえた。
 女性は、手元に残されたコウモリ傘の柄を握りしめたまま、呆然と雨に打たれていた。
 薄いベージュ色のコウモリ傘は、ビルの凹みや壁にぶつかりながら、どんどん遠くへ飛んでゆく。
 すかさず駆け寄って、こちらの傘を女性にかざした。美しい顔に雨滴が光っていた。。。
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posted by vino at 16:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 掌編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

煙草の煙

 朝晩の洗面で、時々顔を合わせるようになった老人が、煙草を咥えたまま、まるで行進をするように足を高く上げて足踏みをしている。
 病院の廊下は、朝食を済ませた患者たちが部屋から出てきて、なかなか賑やかになる。挨拶を交わしたり、点滴の具合を話し合ったりするもの、同室の誰彼の病状を声高に話すものもいる。
 老人は、そんな患者の中を縫うように、傲然と行進している。
 歯を磨き終わって。。。。
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posted by vino at 15:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月05日

交差する時間 - 自死せし従弟Tへのレクイエム

踏み入ったとある渓流の巌の頂に/君は横たわっている/白い一頭の蝶々よ/君は正に死に場所を得たかと問えば/君は驚くだろうか?/君は憤るだろうか?/君は哀しむだろうか?/今、君の亡骸は何者でもない/流れる水の飛沫に湿った巌の頂にへばりついて/少しばかりの燐粉を撒き散らして/その朽ちた羽根が/渓を吹き抜ける風に揺れているばかり/君の死は/死そのものだ/薄暗がりの中に唯一点/陽光が岩肌の上をチョロチョロしている/君の亡骸に/それが焦点すれば/何やらの。。。。
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posted by vino at 10:17| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする