2005年11月21日

ギター教室 第14日目

11月17日

 今回から、来年2月の市民音楽祭に出場するために、上級者との合同練習が始まった。
 まず、パートを決めるためのアミダ籤。
 これ、恒例になっているらしく、講師も上級者も嬉しそうに大騒ぎ。
「これが一番公平な方法でしょう?」と言いながら、講師がニコニコ。
 1st6名、2nd6名。3rdは、上級者2名に我々1年生5名を含めて7名。合計19名の編成。 
 夫々、総譜とパート別の楽譜が渡されて、またまた大騒ぎ。
 曲名は、「新日本紀行・小さな旅」、「冬のソナタ」そして「花」。
 今までが何とのんびりムードであったことか。
 確かに、3rdは音の数は少ないけれど、やたらに休止符があったりで、他のパートの分もよく聞かなければリズムがまるで刻めない。
 おまけに、練習したことのない和音コードまで出てきて、指使いが追いつかない。
 上級者の練習風景を横目に見て、1年生全員、とても付いて行けないとギターを置いてしまった。
 どうなることやら。
講師「大丈夫。今日を含めて8回も練習日があるんですから、ね!」
1年生「8回しかないんですから・・・(とても無理です)」
 講師が全曲を通し演奏して、本日は終了。
 曲は、どれも耳にしたことがある曲ばかりで、頭ではメロディーを追えるけれど、音符が真っ黒になって譜面で踊って見える。アッそうか、だからオタマジャクシと言うのかな、と、変なところで納得。
講師「精々練習して下さい。精々練習して下さい。」
 これって、激励なのか、愛の鞭なのか。

 翌日。始めたからには、よし、やってやろうじゃないか!!と、自宅で練習をしていたら、4弦がホツレてきた。5弦も怪しい。それだけ練習したという証拠なのだろうか。
 教則本を見よう見真似で弦を張り替えて練習再開。
 こうなったら、意地だ!!
 
posted by vino at 18:14| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月20日

マルバの木の花

 
マルバの木の花20051120de9b9ebe-s.jpg
 前に、当ブログで触れた、マルバの木の花が、今満開。五色の紅葉もあっという間に終わって、葉が降りつくすのを待っていたように花が開いた。差し渡し2センチにも満たない小さな花だけれど、枝一杯に花が付いて、深紅の色合いが美しい。
 辺りを見渡すと、一面の霜。この冬一番の寒い朝になった。
 庭先の流し台の溜り水が凍っている。
 目高のいる水鉢にも、この冬初めて氷が張った。
 
posted by vino at 09:31| 庭には・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月19日

交差する時間 - 螺旋階段に関する考察(断章その1)

- 限りなき下降と限りなき上昇を約す-

わたしは何時でも螺旋階段の「途中」に居た。
地平線が視界に在る間、わたしは至極安心であった。
地平線はゆったりと横たわり、その「途中」であることをわたしに教えてくれると思っていた。
何時でも、「それ」より下に行こうと思えば下に、「それ」より上に行こうと思えば上に行けると信じていた。
螺旋階段にある限り、限りなく下降しあるいは限りなく上昇することに、何の不安も感じなかった。
囚われてあることに、何の疑問も、況や何の不満も覚えなかった。
疑問や不安が湧きそうになると、わたしは螺旋階段の一段一段を足で踏めばよい。
一段一段、一歩一歩毎に、地平線は揺れながら上下し、疑問や不安は地平線に溶けては消えた。
上向きと下向きの指向性は優しく、芯柱の求心力は心強かった。

螺旋階段の恩寵を揺り籠として、わたしの青春は過ぎた。
posted by vino at 09:35| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月17日

螻蛄(おけら)

 君は、螻蛄という虫をご存知か?
 僕は或る日、この虫の意外な生態を目撃して驚いた。だって、アレが飛ぶのだもの。大きな胴体に、チョコンと、なるほどよく見ると羽根が付いている。チョロチョロ歩きで、石の下や縁の下、草陰などにばかりに、ひっそりと生息しているものと思っていたから、なおさら驚いた。
 夜になって何を間違ったものか、それとも彼本来の生態なのか、光を求めて、大きなお尻をダラリとぶら下げるようにして飛び回っていた。
 挙句、ドタリと落ちて、僕の部屋をチョロチョロ歩き始めたから、何かの拍子に踏み潰しては叶わないと、彼をヒョイと摘んで、近くの屑篭に投げ入れた。普段から、暗い所を好むようだから、格好の場所にお世話したものだ、篭の中で何か餌をでも見つけられたら、余程感謝されてもいいはずだぞ、螻蛄君、と僕はその時思ったものだ。
 ところが、うっかりとはこのことで、僕は今、彼の見事な?飛翔振りを見たばかりなのだから、当たり前の話には違いないが、程なく彼が屑篭から、ヒョイ、バタバタと飛び出してきた時には全くの話、アヒェ−と叫んでしまった。と同時に、僕は甚だしく、侮辱感を味わった。他人の好意を意ともせずに、ヒョイバタバタはあるまい。俺の屑篭の住み心地に、何か不都合でもあるなら申してみよ、と、彼の首根っこを一掴み、よくよく言い聞かせようとしたが、殺気を感じ取ったものか、彼は一目散に、ヒョイバタバタと、窓の外の暗闇の中に消えて行ってしまった。
 君は、螻蛄という虫をご存知か?
 悲しい位滑稽に、滑稽な位悲しく考え込むことがあったら、早速庭石を一つ、裏返しにして見給え。

 その時は、螻蛄君に、僕が「宜しく伝えてくれ」と言っていたと、一言、添えてくれないか。
posted by vino at 18:25| 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月16日

交差する時間 - サイレンの時

信号灯が射精する街を
受胎の時を知らない 
炎の女が通る
 
黄色い豆ランプの
受精卵を舐めながら

点滅する彼女の食欲ゆえに
「彼」あるいは「彼女」は
死を選ばずに労働する

街路樹は一様に蠢き立ち
オナニーの中に震え立つ

青い息を吐きながら
サイレンが高潮する
posted by vino at 06:31| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月15日

不遜な彫刻家

 石に鑿を打ち込もうとした手を、ふと止める。
「これで良い、このままが良い、実に良い。見たのは俺だ、良いと感じたのも俺だ。だから、これは、俺の作品と言って良い筈だ。俺の手に為ったも同然だ。俺は所有したのではなく、何者かの『表出』を見届けた。」
 彫刻家は、石の無念さを知らない。
 石は、一万年の無言を続ける。
posted by vino at 18:37| 掌編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月13日

交差する時間 - 猿の嘆き

 長々お世話になりました
 思えば悲し猿芝居
 親方様の鞭が鳴る
 技を出せとて鞭が鳴る

 首枷手枷足枷の
 がんじがらめの定めなり

 さがない狗や雉が鳴く
 芸がないとて囃し立て
 小賢しいやら煩さやら
 さながら能無し使丁の様

 老いたる猿も赤面し
 しくじり態に尻を掻く

 思えば悲し猿芝居
 老いたる猿の隠し芸
 見ざる聞かざる言わざるの
 三態のみにござります
posted by vino at 09:26| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月11日

交差する時間 -長いスカートの女

風を孕まないように
脚を光速のようにしている

辺りを畏れぬ強い眼差しで
自分史を包み込んでいる

「裸足であるのが救いだな」
と、男が呟く

風は女の周囲に起こり
スカートの中に収斂されて行く

光速のような脚が拒む
長いスカートの女が行く
posted by vino at 17:19| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月10日

交差する時間 - 風に吹かれて

 「母が亡くなりました」
 「そうか。で、どうして僕に?」
 「母が死んだから・・・」
 「そうか、そうだったのか、君は知っていたのか」

 風が吹いていました。
 緑の牧草地。
 柔らかく、草の頭を撫でて、風が通り過ぎて行きました。
 わたしの髪も、風に弄ばれながら吹き流れていました。

 「父が亡くなりました」
 「そうですか。で、どうして私に?」
 「父が死んだから」
 「そうですか、そうだったんですか、貴女はご存知だったのね」

 風が吹いていました。
 紅葉した街路樹。
 柔らかく、木の葉を誘うように、風が通り抜けて行きました。
 わたしの髪も、風に弄ばれながら吹き流れていました。

 あの男(ひと)も、あの女(ひと)も、風に吹かれて去って行きました。
posted by vino at 15:36| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月09日

アレーッ!?

 考え事をしていたのだと思う。

 銀行のATMで現金を引き出して、ホームセンタへ買い物に行った。
 必要なものの他に、目に付いた、有れば便利な物を、2,3買って(ホームセンターでは、ついつい衝動買いをしてしまう。)レジへ。
 ポケットを探ったが、先程引き出したばかりの金がない。当方、財布は持たない主義なので、アチラコチラ、身体中のポケットを探ったが、ない。どうしたのだろうか?
 後に列が出来そうだったので、ポケット中の小銭を取り出して、やっとの思いで支払いを済ませた。
 車に戻って物入れを見ると、確かに現金を引き出した取引明細書がある。車内を探したが見当たらない。目を宙に浮かして、考えた。そう言えば、現金を取り出した記憶がない。そうだ!!カードと明細書を取り出したことは覚えているが、現金を取り忘れてしまったのだ。
 慌てて銀行に戻ってATMコーナーに駆け込むと、行列が出来ているではないか。アー駄目かと、見ると、順番待ちの行列が出来ているのに、当方が先程手続きをしたATMだけが空いている。よく見るとその機械は、カードでの引き出し専用機で、通帳での利用や振込みは出来ないと表示してある。(だから利用客が少ないんだ。)
 けれど、紙幣取り出し口を見たが、ない、ない。
 アー、ン万円が消えてしまった、と駄目元を覚悟して、窓口へ行く。
「コレコレこういう次第で、現金を取り忘れてしまったのですが、届出はありませんか?」と、取引明細書を示して訊ねると、窓口嬢、落ち着いた口調で、当方の名前を訊いてきた。免許証を提示すると、後ろの席の上司と思しき男性行員と二言三言。「少々時間が掛かりますので、掛けてお待ち下さい」と、可愛らしい笑顔でニッコリ。
 男性行員、当方をチラリと見ながら、ATMの後の方へ廻りこんで少時。
 気落ちして、恨めしい思いでATMを眺めているうちに、件の行員が、窓口の受払いで使う丸いトレイの上に、一万円札のピン札でン万円を乗せて、カウンターを一回りして来る。客溜りの当方に近付くと、恭しく奉げ持つようにお辞儀をしながら「大変お待たせいたしました。お取引の金額に間違いございませんか?」と言う。
 まるで大口取引の上得意先の気分。
「えっ?えーえー、確かに」

 仔細は訊ねなかったが、一定の時間が経つと、紙幣取り出し口のシャッターが閉まって、現金がATMの中に取り込まれるもののようだ。
 利用客の少ないATMだったのが良かったのだろうか。意外と簡単な手続きで、虎の子のン万円が無事手元に届いた。当事者責任などと、何か小言を言われるかと思っていたが、一言のご忠告もない。至極当然のことのように金を渡してくれたのには、いささか、恐縮してしまった。
 それにしてもラッキーだった。
 なんだか、大変な得をした気分になっている。

 でもこれって、ボケの始まりでしょうかね。
posted by vino at 18:10| 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月05日

赤い実


赤いタ200511057839fc58-s.jpg 

 冬青き苔の小庭や藪柑子                      巖谷小波

 歳時記を繰っていたら、まるで当方の苔庭を詠まれたような句を見つけた。

 山取りして3年目、藪柑子が実を付けた。
 小さな苔庭の片隅、岩山に見立てた庭石に寄り添うように、藪柑子が2株。
 庭石に張り付いた日向苔に、赤い実が映える。
 日陰の、更に岩陰に、ひっそりと色付いている。

  藪柑子山めく庭の隅々に 長谷川かな女

 時折洩れる木洩れ陽に、一際赤く輝く。

 同じ日に山取りした幾株かは、母屋の西側の雨落ちに植えた龍の髯の中に移植したが、こちらは西日が強すぎる所為か、花は咲くのだが実はまだ見られず、葉柄も心なしか元気がない。藪柑子はその名の通り藪陰のもの、直射日を嫌うらしい。

  藪柑子夢のなかにも陽が差して 桜井博道

 同じ赤い実ながら、秋の陽を燦々と浴びて、枝から零れ落ちんばかりにびっしりと実を付けているウメモドキと対照的な藪柑子の密やかな営みだが、決して見劣りはしない。むしろ、侘び寂びの境地を言えば、優に存在感が増すくらいだ。
 藪柑子は、当方の大好きな花木のひとつに数えている。
 
 ※ 文中の俳句は、『日本大歳時記』(講談社)  から引用しました。

posted by vino at 11:45| 庭には・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする