2007年01月28日

偕楽園公園修繕工事日記(番外編)- 「は」行と「ら」行

 
 当初、修繕工事の経緯を張り切ってアップした心算だったが、工事が進むにつれて工事写真の数が600枚を超えてしまい、役所に提出する写真帳を整理、編集するだけで精一杯。挙句、工事の陣頭指揮をしていた棟梁のIさんが体調を崩し、正月明け早々、急遽入院してしまい、アタフタとした毎日だった。
 愛用のノートパソコンもフル稼働状態で、提出書類のファイルで一杯。なかなかインターネットで遊べないので、フラストレーションが溜まってしまった。
 へろへろ状態とはこんなことかと思い知らされた。
 「へろへろ」とは、以前読んだ、半村 良の『小説 浅草案内』(新潮社)の「へろへろ」で初めて知った言葉だけれど、小説の中では、もっともっと艶めかしい使われ方をしている。
 
 「私」が、馴染みの寿司店のカウンターでひとり酒を飲んでいると、隣り合わせた三人連れの男客たちの話が聞えてくる。「へろへろ」は、その男たちの可笑しくも哀しい話に出てくるのだが、「私」と店のおやじが思わず声をあげて笑い出してしまうところから、意外な展開となる。
 三人連れのうちのひとりが、父親と相方の艶話を始める。この辺りは小説のサワリでもあるので、読んでからのお楽しみと致しましょう。いずれにしろ、男と女の仲を表すのに外せない言葉になっている。
 で、「は」行と「ら」行の話。
 「へろへろ、へろへろ」と呟いているうちに、妙なことに気付いた。
 「はらはら」「ひらひら」に始まって、「へらへら」「ほらほら」に至るまで、「は」行と「ら」行の何と言うくっ付きの良さだろうか。
 「は」から「ほ」、「ら」から「ろ」まで、色々に組合わさって、実に多くの準名詞を構成している。「は」が濁音になっても半濁音になっても、両者の蜜月ぶりは変わらない。
 幾つあるのか数えてはいないけれど、妙に、今の当方の心理状態に符合する言葉がある。工事の進捗状況に一喜一憂、「はらはら」「ぷりぷり」して、行き着く先は「ふらふら」で・・・。
 何とも締まらない話。

 偕楽園の梅も、チラホラと綻んできている。梅の落花振りを「ひらひら」とは形容しないから、これは桜の花にとって置く。
 紹介した「へろへろ」に出てくる父親と相方を固く結びつけるのも、「・・・ひとひら、桜の花びらが・・・」なのだ。
posted by vino at 16:50| Comment(2) | 修繕工事日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月04日

霧の中

 以前にも書いたことがあるけれど、父方の叔父は俳句を能くする人で、あちらこちらの俳句大会で秀作を発表している。
 数年前、クモ膜下出血で倒れ、重篤な時もあったがその後順調に回復し、言語障害や麻痺もなく、担当の医師も驚くほど元気にしている。
 一時、作句を離れて養生に努めていたが、二年ほど前から、また意欲的に俳句作りに励み始めた。
 今年の賀状にも、元気な筆遣いで一句。

 やわらかくなるまで霧の中にいる  栄光
 
 その解題に曰く、家の中も表でも緊張感の気持ちを霧中にいれば楽になれる事を詠んだ句。昨年10月に行われた、現代俳句協会主催の全国俳句大会で15,000句に上る応募句の中で、第一位を受賞した、とある。

 叔父から俳句が届くと、何時も感想文を書いて送る。蛇足ながら・・・

 霧は柔らかい。時に、白一色に立ち込めて視界を遮るけれど、程なくその緊縛を解いて、晴朗な景色を現出させる。その中に身を置くと、人は期せずして霧の呟きに耳を澄ませる。霧のある限り、身体の力を抜いて霧に抱かれる思いに身を委ねる。 
 人は異界を恐れるものだが、霧の演出する白蓋は柔らかい濃密な、慈悲に満ちた空間となって、その中に佇む人を慰撫してくれる。

 やわらかくなるまで霧の中にいる
 
やがて、霧が晴れて現れた人の温顔に会えば、こちらも恩寵を感得した想いに微笑むことが出来る。
 作者の眼差しもまた霧を見通し、慈愛に満ちて柔らかい。

posted by vino at 10:55| Comment(2) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月01日

年賀状

あけましておめでとうございます

イの一番か 亥の十二番か
端(はな)を行こうか 取(とり)採ろか
真っ直ぐ進む 干支セトラ
2007.1.1.

ことしも どうぞよろしく願います
posted by vino at 07:35| Comment(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする