2008年02月27日

交差する時間 - ・

良い加減だな

良い加減ですね

君は今、悪い方に取らなかった?
そうじゃなくて、良い意味でさ

あら!?

「良い加減」て、くっつけて続けると
どうも具合が悪いね

では、良い具合?

それもちょっと、淫靡な響きがあるね

では、良い塩梅?

それもちょっと、味加減が過ぎやしないかな

では、良い・加減では?

良いね、それは良い
僕たちと同じ
ちょっと間に
間合いがあると、良くなるね

これって、何ていう記号かしら?
ドットでもないし、コロン、カンマとも違う

ま、僕たちの秘密
符牒ということにしよう

良いわ、良いわ
良い・加減


posted by vino at 19:31| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月22日

交差する時間 - 公園のベンチ(断想)

公園に人が群れていれば
ひとは躊躇なく
他人が座っているベンチでも
相席を頼むだろう
若者は己の体重を持余し気に
無口のままドサリと倒れ込む
老いた者は己の身体を労るように
言い訳をしながらフワリと腰を下ろす

公園に人が群れていれば
ベンチは何処も
複数の人で占められる
時に微笑が生まれ
会話が始まる

さて
公園にあまり人の姿が見当たらず
彼方此方のベンチが人待ち顔でいる時に
他人が座っている一つのベンチに
ひとは相席を頼むだろうか

老若男女を問わず
途端に
先客は席を立つに違いない
不審と嫌悪とを残して

後から来たものの惧れと羞恥は
粉微塵に砕かれる
時に
淡い恋慕さえも

このようにして
人とひととは公園で別れなければならない
このようにして
人とひととは公園で離れなければならない

公園に
人待ち顔のベンチがあり
「迷子」でいるひとがいる

群れている時と閑散の時と
己の豹変に
人は気付かずにいる


posted by vino at 10:22| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月06日

交差する時間 - などか知らねど夕焼けに

何でもかでも知らねばいけませんか
知らずにいることの安穏を
何故破らねばなりませんか

夕焼けの雲を見ていた少女は
自在に姿を変えてゆく雲を憎んだ

少女の心を知らぬ気に
雲は黙っていた

雲に思いを掛けたことを
少女は少し悔いた

溜息をついて振り返ると
夕陽に映える建物があった
何時もは薄汚れたコンクリートの外壁が
赤く染まっていた

アッ、綺麗、と少女は呟いた

窓ガラスが一際赤く光って見えた

薄れゆく夕映えの光の中で
雲を憎んだことを
少女は少し恥じた

明日も晴れるといいな
明日もここに立とう
明日も


posted by vino at 09:52| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする