2009年02月19日

偕楽園公園修繕工事H20 - その5

 着色の前に、もう一工程ありました

10.12 012.JPG 。

 最初に言いましたように、漆は下地に油脂分があると上手く馴染みません。長年、多くのお客さんが歩いたところですから、見た目以上に付着しているのだそうで、ここで、アルコール拭きの工程が入ります。


10.12 021.JPG

 松煙を柿渋で溶いたものを、丁寧に塗ってゆきます。
 ここまで、3人で1週間ほどかかっています。
 全部塗り終わったら、1、2日、乾燥させます。そして、同じ工程を繰り返します。2回目の着色作業は、1回目の上に色を乗せてゆくので簡単そうに見えますが、部分的に色むらが出ていないかどうか確認しながら進めなくてはなりませんし、次はいよいよ漆作業になりますから、慎重に進めます。
 ここまでは、雨戸が開いていましたし、匂いもさほどではなかったのですが・・・。
posted by vino at 16:36| Comment(10) | 修繕工事日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月16日

青、青、そして青

 空の青と海の青の違いで泣いたりするのは、福山雅治に先を越されてしまったけれど、いい男の決めの台詞で泣いたりするのは、ちょっと気恥ずかしい、そしてちょっと嬉しい。
 今日、久し振りでGyaOを覗いたら、ケビン・コスナーとロビン・ライト・ペン共演の“MESSAGE IN A BOTTLE”が提供されていたので、ありがたく時を過ごすことが出来た。そして、ちょっと泣いた。
 あっ、ポール・ニューマンを忘れてはいけない。いい味出しているね、相変わらず。
 筋は追わないのが当方の主義です、見てのお楽しみ。
 ギャレットの家も、キャサリンの実家でも、窓という窓には飾り棚があって、そこには、色とりどりの青の瓶が飾られていたけれど、あれは、ウォーター・フロントのあの地方の流儀なのか、それとも監督の好みなのか、あー、欲しくなってしまった、飾りたくなってしまった。
 そして、タイトルの瓶も、薄い青色!!
 例によって話は飛びますが、この冬、フィッシャーマン・セーターのマリン・ブルーを探したけれど、全部空振り。ネット・ショップの殆んどを探して、問い合わせてみたけれどみつからず終い。
 で、映画を見ていましたら、ギャレットが着ていましたね。マリン・ブルーのセーター。かっこいい!!
 
 というわけで、映画の紹介にはなりませんでした。 ちょっと温燗のお酒が効いて、ちょっとブルーな気分で居ます。では、また。

 追記:ギャレットとテリーサが愛し合うシーンでの、女性ヴォーカルの挿入歌、胸にギュっときましたね。ご存知の方がいらっしゃったら、曲名教えていただけるとありがたいのですが・・・。 
posted by vino at 19:33| Comment(2) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月14日

偕楽園公園修繕工事H20 - その4

 入念に「肌ならし」を終えた後は、研磨した微粉末を固絞りの雑巾で丁寧に拭き取り、乾燥させます。
 そして、着色です。
 漆黒という言葉の通り、真っ黒にするには、松煙を使います。松煙とは読んで字の如く、松を燻した煙、煤です。
 床板は、一枚一枚、木肌が違います。目(木理)の粗いもの、目のつんだもの、柾目のもの、虎班状に目の込んだものなど色々です。つまり、夫々に色の吸い込み具合が違うのです。

DSC04138.JPG

 試し塗をして、色の調子、吸い込み具合を慎重に確認します。
 スリッパを履いていますが、これは、前に触れましたように漆が人体からの汗や油脂分を嫌うからで、裏底がスポンジ状のものを使います。
 手前の一本溝(養生シートで見えにくいですね、前回の記事の1枚目の写真の右端に見える部分です。白く見えるのは、※埋樫です)は、雨戸用の一筋、その次に見えるのが、障子用の、敷居です。敷居の外側まで塗下げます。

DSC04137.JPG

 松煙は柿渋で溶き、刷毛塗・拭き取り、刷毛塗・拭き取りを2回繰り返し、色むらを調整しながら塗り進めます。
 次回は、着色完了の様子を見ます。
※埋樫:一筋は、大きな松材です。毎日、雨戸(20枚ほどになります)を開け閉めしますので、溝が減ってしまいます。一筋は構造材ですので傷んだからと言って、簡単に交換することができません。そこで、溝の底が減らないように、堅い木、ここでは白樫の木(厚みは9〜12ミリ)を埋め込んでいます。埋樫は、15年は優に持ちます。
飛騨高山の陣屋では、鉄板が使われていてビックリしたのを覚えています。
 
posted by vino at 17:18| 修繕工事日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月12日

偕楽園公園修繕工事H20 - その3

 今回の東塗縁の修繕は、拭き漆工法で行ないました。
 以下、詳細をお伝えしようと張り切っていたのですが、困ったことに、漆は恐ろしい(?)材料で、硬化するまでは、近寄ることが出来ません。(当方の叔母のひとりは、「うるし」と聞いただけで全身に発疹が出来てしまう程でした)。
 従って、作業現場は、漆塗が始まると、お客さんは勿論、工事関係者も立ち入り禁止です。もっとも、それは、「かぶれ」に対する措置とばかりではなく、漆の特性、漆工の禁忌によるものです。
 先ず、埃、油脂成分を嫌います。また、直射日光が当ったり、風を当ててもいけません。極端な乾湿の変化も防がなければなりません。
 というわけで、工事写真の撮影も、工程管理もすべて、「シェフにお任せ」でした。悪しからず。
 さて、拭き漆の基本は、木地の仕上げです。本来なら、今までの斑に残っている漆をすべて綺麗に取り除かなくてはなりませんが、今回は床板の傷み具合、経年の変化(冬目が起って、いわゆる浮造り状態になっている)を考慮して、下地を均す程度に抑えました。

DSC04135.JPG

 粗めのものから極細のものまで、数種類のサンドペーパーを使って、ひたすら、床板を研磨してゆきます。我々は、「下地処理」などと、不粋な業界用語を使いますが、漆工の職人さんたちは、「肌ならし」と言っていました。いい言葉ですね。

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 次回は、着色の作業です。
posted by vino at 10:15| 修繕工事日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月07日

偕楽園公園修繕工事H20 - その2

 好文亭には、東西二間の板の間がある。烈公(徳川斉昭)御座所を挟んで、東に東塗縁、西に西広縁、どちらも、松板敷の板の間。東塗縁は約10坪、西広縁はおよそ倍の20坪の広さ。
 東塗縁の案内板によると、「この塗縁の間は烈公が80歳以上の家臣、90歳以上の老人を時々招き、慰安したり家臣と共に、作歌作詩などしてたのしんだところです」とある。
 で、今回は、その床の漆塗工事を紹介します。
 まずは、現況からご覧下さい。

DSC04128.JPG

 漆は、湿気には強いけれど紫外線には弱いのだそうで、なるほど縁の東側や南側の日当たりの良いところは、地肌が見えるほど傷んでいます。大勢の観光客が、庭園を眺めるために佇むところでもあります。

DSC04132.JPG

 次回からは、拭き漆の工程を見てもらいます。

posted by vino at 19:29| 修繕工事日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月02日

交差する時間 - 氷

氷を手で触ったら 冷たい
ジーンと冷たい
その分 氷はボクの手を
温かい ジーンと温かい
と思うのだろうか

ひとの心に触れて 冷たい
ヒヤーッと冷たい
と感じたら
その分 ひとはボクの心を
温かい ホワーンと温かい
と感じるのだろうか

ひとの心に触れて 温かい
ホワーンと温かい
と感じたら
その分 ひとはボクの心を
冷たい ヒヤーッと冷たい
と感じるのだろうか

氷が溶けた分 冷たいと感じた分
ボクの手は熱くなった
posted by vino at 11:41| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする