2012年07月31日

交差する時間 - 地図帳

地図帳に
四角い小さな穴を明けて
持ち歩く 限り
遠くを見て未来を思ったり
遠くを見て過去を想ったり

僕から迷いが消える

いつか小さな窓枠を
輝く麦の穂波のように
黄色に塗りたい

地図にない
山道に湧く清水の在り処さえ
窓の中に浮かんでくる 限り

僕から渇きが消える

まるで予定された振動音が
同心円に浮動するままだ

見馴れた景色の中を歩くための
地図帳

四角い小さな窓枠に限られた
空も地平も足元の地面も
記号化されて
手を繋いでいた友だちは
地図帳の
頁を繰り上げて急いでいたっけが
迷うことなく迷子になったみたい
posted by vino at 15:14| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月19日

草刈り

夏草をぶった切る 中に昔がいる かのような匂いが立つ

「一週間前に刈ったばかりですよ」
「夏草は伸びるのが早いですね」
 隣の農家の人と声を掛け合う。
 去年の夏までは、農家の人が草刈払機でスイスイ進むのに、こちらは草刈り鎌をふりまわしていた。今年は、小さいながらもエンジン式の草刈払機を買って、まめに、そう、草が伸びきる前に刈ることにした。
 この季節、農家の人は夜が明けるのを待ちかねたように草刈りを始める。丹精なのはいいのだけれど、開け放してある窓からエンジン音が響いて、眠い目をこすりながら舌打ちをしたものだった。ところが今年の夏は、犬を飼ったお陰でこちらも早起きになり、4時半過ぎには起きだしてお茶を飲み、5時には犬の散歩に出かけるようになった。だから、朝起き抜けのエンジン音も苦にならず、「おはよう、今日もお元気ですね」と、前向きな気持ちで声をかけられる。
posted by vino at 19:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月16日

交差する時間 - 陽炎の中で

夏の昼下がり
町々は強い陽射しで
宝石のように彫琢され
時間限定の蜃気楼の中にある
位相がはっきりとした街角では
人々によって巨きな記憶が連想され
街の辻では人々が心を亡くして
溶け出した瑣末な日常を消耗している
 
夏の日盛り
陽炎が友だちを連れてくるのを
待っている
posted by vino at 15:34| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月04日

クワガタ

P7021304.JPG

 犬との散歩の途中で、道の真ん中で動かないクワガタを見つけた。朝早かったからよかったものの、通勤の車が動き出したら危ないじゃないか、クワガタ君。
 家に戻って、とりあえず砂糖水をつくり、それで湿らせた綿棒を彼の口元に持ってゆくと、櫛の歯状の、正しくは何と言うのか口吻を伸ばして綿棒に吸い付いてきた。
 急なことで、虫籠もないし、おが屑、朽木、ゼリー状の餌もない。折りを見て庭のクヌギにでも逃がしてやろうと思ったけれど、まだあまり元気ではないようだし、触手の片方がもげている。
 もう少し様子をみることにして、さっそく100均で一揃え整え、今、飼育中。
 給餌をしているうちに情が湧いてきてしまった。
posted by vino at 09:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月02日

アヤメ

P7021309.JPG

 散歩道の、こめ工房の丘の藪の中に、自生のアヤメを見つけた。あたりの緑に染むように、艶やかな紫が映える。
posted by vino at 16:08| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする