2013年03月20日

『土』を耕す

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 ひょんなことから、市内の劇団「橋の会」に客演することになった。
「橋の会」は、民芸などにかかわったことのある木村夫伎子さんが主宰する団員が全員女性で、演目によって男性の客演を仰ぐという特異な劇団だ。劇団の構成人員も生い立ちも主義主張も分からないまま、いつの間にか台本を渡されて週二回の稽古に通うことになった。
 今年の演目は、皆さんご存じの長塚節作『土』。その長編を、節の従兄弟である伊藤貞助が脚色したもので、プロの劇団でも何回か取り上げられているという三幕七場の大作だ。
 当方が演じるのは、貧しい小作の男、勘次。
『土』を通読、読み遂せたという記憶がない。節独特の微に入り細にわたる文体、描写についてゆけず、おまけに同じ茨城県ながら、ややこしい方言に幻惑されて何回か中断してそのままに捨ててしまった作品だ。
 稽古は、火曜日と土曜日の週二回。稽古中は、木村さんの容赦のない叱声が飛び、罵声を浴びせられることもある厳しいもの。市民劇団というと、「観劇料は無料」というのが通り相場だけれど、木村さんは甘えを許さずに、チケット料をいただいて、それに見合った内容をお客さんに観ていただくという信念から、前売り券1,000円、当日券1,200円という設定。今年は、6月7,8,9日の三日間の公演になる。金曜日は、午後6時から、土曜日は午後1時と6時の二回、楽日の日曜日はマチネーのみ。
 いやいや、3月に入って立ち稽古になったものの、当方はさっぱり台詞が入らない。先輩の団員方は余裕綽々で誰一人台本は手にしていない。先日の稽古では、「本は手にしないで!詰まったらプロンプターの声を聞きなさい!」と当方一人叱られた。
 市内の300人劇場で四公演、毎回前売りチケットが完売というから恐れ入る。
 土を耕すように、台詞を味わいながら一日も早く憶えなければならない。3分近い長台詞もあるし・・・。
 是非、ご・こ・う・ら・ん・く・だ・さ・い・ま・せ。
 
posted by vino at 20:06| Comment(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月19日

八卦よい残った

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 八卦堂が揚がり始めました。土台、礎盤、わら座の下に、揚屋工事を担当する業者さんの秘密兵器、撥ね金物を差し込み、それを八角形のうちの四面にセットしたレールで咥えます。四面に2台ずつ、計8個のジャッキでまず30cmほど揚げます。そして、そのレールの下にさらに250×250のH鋼を2本差し入れて、正面側と後ろ側に2台、15tの油圧ジャッキを使い一回につき14cmずつゆっくりと揚げてゆきます。何故14cmかと言いますと、ジャッキの架台に使う枕木が、巾23cm、厚み14cmだからです。つまり、一回揚げる毎に枕木を一枚ずつ足してゆく訳です。その繰り返しです。
 写真はおよそ120cm揚がった様子です。中にかすかに見えているのが文化財である「弘道館記碑」です。台座を含めると4m近いものですから、建家は最終的に2mまで揚げます。記碑は、養生の鋼材を含めて17t、建家は、屋根が銅板葺きで中ががらんどうですがケヤキ材が使われていますので15t強あります。
 記碑の碑身は、まるで鎧を着たように、がんじがらめに鋼材や養生材でくるまれています。従って巾が2m近くなりますから、建家を揚げただけでは外に持ち出せません。堂の中で、90度回転させなければなりません。これがまた大変な作業で、短いレールを円形に近くセットしてコロを使いながらソロソロと回転させます。これからが正念場です。
 今のところ、記碑が出てくるのが26日、大型クレーンで吊り上げ所定の作業場へ移送するのが27日の予定です。
 NHK水戸放送局などメディア関係が、その模様を取材に来るという話ですので、注目していてください。
posted by vino at 15:14| Comment(0) | 修繕工事日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月05日

当たるも八卦

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 1月は「行く」、2月は「逃げる」そして3月は「去る」とか申しまして、仕事に追われる日々が続いております。好文亭の方は、2月の20日前に無事終了してホッとしたのもつかの間、現在、弘道館八卦堂の修復工事中です。と言いましても、八卦堂そのものではなく、中に鎮座している弘道館記碑を移送する工事です。3.11の震災で、この記碑が大きなダメージを受けました。
 もともと、もろい大理石(当方の地元、常陸太田産の「寒水石」が使われています)で出来ている上に、水戸の空襲でうけた火炎による傷みが激しく、碑身に深刻なひびが入っておりました。そこへあの大震災です。見るも無残に剥落、崩落してしまいました。その記碑を向こう一年かけて修復するために、仮設の作業場まで約100mほど移送します。記碑本体の傷みが激しい上に、高さ3.1m、巾1.9m、厚0.5m、重さ7t強の碑をジャッキアップして運び出します。それに伴って、八卦堂そのものを垂直に約2m上げなければなりません。いわゆる揚屋、曳き屋工事です。とにかく、相手が重要文化財ですから神経を使います。3月29日が工期です。
 偕楽園ほどではありませんが、弘道館公園にも梅林があって、白梅・紅梅が咲き始めています。
 お立ち寄りの際は、声を掛けてください。
※弘道館、八卦堂、弘道館記碑については、それぞれの項目で検索ご高覧ください。
posted by vino at 16:51| Comment(0) | 修繕工事日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする