2013年12月31日

今日の一行の六十

 皆さま、今年も色々お世話になりました。どうぞ良いお年をお迎えください。
posted by vino at 19:18| Comment(0) | 今日の一行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月30日

全集もの - 田中冬二全集に寄せて

 書棚に揃えたからといって、必ずしもすべてに目を通せるわけではない。好きな作家の全集本であっても、全巻全編を読み通せずにいるものもある。
『田中冬二全集』もその類で、思いついたように時々手にしては、詩篇などを拾い読みする。
 ところが、どういう経緯があったのか今では思い出せないのだけれど、わずかに全3巻の全集本のうち第2巻が欠けていて、気にはかけてはいても、今日まで補充せずにいた。
 第1巻の発刊は、昭和59年12月15日第一刷とあるから、この間、29年も経過してしまったことになる。
 巻数の多い作家の全集ものの場合には、営業的な理由からか、必ずしも巻数順に発刊されないこともあるけれど、わずかに全3巻の全集本は、さすがに順番どおり発刊されている。 
 因みに奥付をみると、第2巻は昭和60年4月10日、第3巻は同じく6月25日にそれぞれ第一刷、とある。その後、この著書が増刷されたかどうかは知らない。
 このほど、その第2巻を、あるネットショップで手に入れることが出来た。遠く愛媛県松山市の古書店からだった。
 手にして驚いたのは、長く自分の書棚にあった2冊に比べて、はるかに状態がよいことだった。古書では避けられない日焼けもなくしみもなく、ほとんどまっさらに近い美本なのだ。月報も、発行時の筑摩書房の新刊本案内のパンフレットも挟まれてあった。

 頁を繰りながら、しかし、と思い淀んだ。
 古書が余りにも綺麗に措かれているのは、果たして良いことなのだろうか。
 これまでに、どれだけの人に読み継がれてきたのだろうか。
 版が重ねられることなく、遠く過去の人となってしまったのだろうか。

 とまれ、ここに一人の愛読者がいることを、そして田中冬二という詩人に出会えたこの上ない喜びを伝えなければならない。

   親しきサマンよ
   僕はまたしても君にこの手紙を書く
   死人に手紙を書くのは僕にもこれが初てだ
   明日の朝久遠の村の老僕がこの手紙を
   極楽にゐる君に届けるだらう
  (「聖女シュザンヌ村」フランシス・ジャム詩抄に関するノオト)
posted by vino at 13:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月26日

泰山木

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 泰山木鏡なす葉に咲かむとす 水原秋櫻子

 泰山木の花期は、5、6月頃。従って「泰山木」は夏の季語になるけれど、掲句に言う「鏡なす葉」に出会い、余りの美しさにしばらく見上げていた。
 冬空を背景に、鏡のように冬陽を反射して映す葉があり、冬陽に透けて見える葉群もある。
 この季節、香気の高い白く輝く花はないけれど、なにがなし余情を感じさせてくれる存在感のある樹木だ。
posted by vino at 11:38| Comment(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月21日

結ぶ契

とうもろこし人形写真集.jpg

 このほど、とうもろこし人形作家の木村拓子さんから作品写真集 第二集『創作 とうもろこし人形』をいただいた。
 いずれも、ここ数年に、企画展示会、作品発表展で拝見したはずだったけれど、写真集を手にとって驚いた。
 光と陰、夫君の撮影になる人形群の陰影から映し出された手業が際立って、とうもろこし人形に込められた作者の志気が匂ってくる。
 光によって人形群の心が動き、陰によってその姿態が動き出す。
表紙に登場する「常陸帯」からは、能舞台そのままに、ワキ詞が聞こえてきそうだ。

「かやうに候ふ者は。常陸の国鹿島の明神に仕へ申す者にて候。」

 木村さんの人形には、目鼻立ちをいう「顔」は描かれないので、この表紙を見て驚いた。ワキ師に顔が!?イエイエ、それは、立派な能面でありました。
  
 人形群も写真集も完成度の高い一級品の仕上がりになっています。(当ブログサイドの「とうもろこし」で覗いてみて下さい。)

 いただいたお便りには、年明け早々、磯原の桂木ギャラリーでの企画展(「竹取物語って」)、3月初めのご当地、エスパースでの個展(「K・A・R・E・I」)へ向けて準備にお忙しいと書いてあった。
 会場で、作品群共々お会いできるのを楽しみにしたい。

※ワキ師(方)に能面、としたのは、当方の見誤りでした。面を付けるのはシテ方のみ、ということをうっかりしていました。神に仕える神官だからこそ、直面(ひためん)を強調されたものと思われます。敢えて書き直さずに追記します。

 
 
posted by vino at 14:24| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月18日

別に他意はないのですが

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 我が家の菜園の秋蒔き大根を収穫していた家人が、お腹をかかえて笑い出したのでその手元を見ると・・・。
 食べていい物でしょうか!?
posted by vino at 17:39| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月07日

交差する時間 - 慰め

妻を亡くした人が言った

僕は妻を亡くしたのではありません
妻である人を亡くしたのです

わたしは粛然として聴いた
深淵の底にストンと落とされた

家に帰って辞書を引いた
「慰め」には、「もてあそぶ」
という謂いもあるのを知って
ひとり愧じた

御心をナグサマれ候へかし

慰め所の有りや無しや
posted by vino at 12:05| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする