2016年12月04日

橘始黄の候〜

 母の一周忌の法要の後のお斎を、近くのホテルで行った。祥月命日は1月10日だけれど正月早々の法事も憚られるからと、少し前倒しにしてもらった。
 その際、テーブルに配られた料理の「お品書き」の頭に、「橘始黄の候〜」と記されていた。
 さて、これが読めなかった。参列者がこもごも声をあげたけれど、一番多かったのが、「たちばなしこうのこう」で、「こう」と「こう」が重なるから「たちばなしおうのこう」などなど。
 家に戻って辞書で引いて、なるほど、なるほど日本語って美しいと膝を打った。「たちばなはじめてきなり」(本によっては「きばむ」)の候、と読み、七十二候の一つ、とあった。 
 そこで、書棚にあった『日本の七十二候を楽しむ〜旧暦のある暮らし』(文 白井明大、絵 有賀一広 東方出版)を開いてみた。二つ三つと読み進むうちに、どれもこれも言い得て妙と言うべく、それぞれ捨て難い味のある説明がなされている。『日本の七十二候〜』を「始めて繙」いたときは、さして心にもとめずに読み流していたものを、ひとの手で切り取られ示されて見ると、新しい気味が感じられるばかりか、料理人の心意気もこちらの胸に届いて嬉しくなってしまった。
 さて、『日本の七十二候〜』のこと、全文は紹介できないので、「〜始めて〜」に限ってその候を列記させていただく。

春:霞始めて靆(たなび)く、桃始めて笑う、雀始めて巣くう、桜始めて開く、虹始めて見る、葭始めて生ず
夏:蛙始めて鳴く、蓮始めて開く、桐始めて花を結ぶ
秋:天地始めて粛(さむ)し、水始めて涸る、霜始めて降る
冬:山茶(つばき)始めて開く、地始めて凍る、橘始めて黄なり、雉始めて雊(な)く、鶏始めて乳す
 
 如何ですか?改めて先人の自然との触れ合いの豊かさを見る思いが致します、ね。
 来年の暦は、ぜひ、旧暦が併記されたものをお求めになって「〜始めて〜」下さいますように・・・。
posted by vino at 14:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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