2017年03月10日

詩を読むとは

 そのひとは、乱暴な物言いになるけれど、と断って「ふざけるな!!と言いたい」と言った。

 聞くともなしに一晩中流しっぱなしだったNHKのラジオ深夜便も終りに近い時間帯だったように思う。何時から出演されていたのか判然としないのだけれど、落合恵子さんの只ならぬ声に目が覚めた。
 福島県の罹災者、他県避難者、仮設移住者に対する、行政の、そして何より我々日本人のあまりにも情けないなさりように、強い物言いになったらしい・・・。
 落合さんがさりげなく口ずさんだ長田弘さんの詩が胸に響く。
---どこにもいない?
  違うと、なくなった人は言う。
  どこにもいないのではない。

  どこにもゆかないのだ。
  いつも、ここにいる。
(詩集『詩 ふたつ』から「花をもって、会いにゆく」)

 長田さんは、この詩集の「あとがき」に記している。
---一人のわたしの一日の時間は、いまここに在るわたし一人の時間であると同時に、この世を去った人が、いまここに遺していった時間でもあるのだということを考えます。
 亡くなった人が後に遺してゆくのは、その人の生きられなかった時間であり、その死者の生きられなかった時間を、ここに在るじぶんがこうしていま生きているのだという、不思議にありありとした感覚。

 これを記した前の年に、長田さんの奥さんが亡くなっている。
 その長田さんも今はいない。
 長田さんの詩を読むと、大いなる、魂へのレクイエムを聴く想いがする。
 
posted by vino at 17:14| Comment(2) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Vino様
ご無沙汰いたしておりました。
体調等いかがですか?
3月3日からの個展が何とか終了いたしましたが、
その後年齢には勝てず、まだ1週間経っても体調が戻りません。
たぶん新作の個展はもう無理かな?と思いました。

世間に広めていただいたVinoさまには
ぜひ見届けていただきたかったのですが・・・残念でした。
今後はグループ展の参加をメインにまた皮をためながら頑張ります。
お彼岸とはいえ、どうかお体ご自愛くださいませ。
Posted by とうもろこしのPiro at 2017年03月17日 15:52
とうもろこしのpiroさんへ
甦った名画”深川の雪”がテーマでしたよね。27人の美女が織り成す艶やかな歌麿の世界をどのように表現されたのか、いずれpiroさんのH.P.で拝見出来ればと・・・
グループ展楽しみに待ちます。
Posted by vino at 2017年03月18日 10:21
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