2013年04月12日

未だ掃かず

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 春先がけの蝋梅が散って、水仙、福寿草、ミモザ、レンギョウと順を追って咲き、そして今は一重の山吹が咲いている。こう並べてみると、我が小庭にはずいぶん黄色系の花が多いことに気付く。
 それと知れずに笹薮の中に咲く山採りの春ラン、イカリソウ、翁草、雄花ばかりのアケビの花は赤紫系。
 忘れてはいけない、ライラックの蕾も大きく膨らみ始めている。例年、ひとつかふたつの花房を見ただけでも喜んでいたのだけれど、今年は枝々の先に15ばかりの蕾がついた。なかなか花芽をつけずにいた木で、代わりに花を惜しんで遅れて植えたもう一株は葉の芽吹きばかりで蕾がついていないのはどうしたことだろう。
 
 花落家僮未掃   花落ちて家僮(かどう)未だ掃(はら)わず  王維

 春の嵐に甚振られて庭に散り敷いたヒメコブシの花びらはしばらくそのままにして置いたけれど、残り花もすっかり散ったのを見計らって、ようやく掃き集めた。
 花時を終えた庭木には、すっかり若芽が芽吹いている。
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2012年09月10日

寄せ植え2

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 昨日に続いて、寄せ植え。パープル・ファウンテン・グラスの立ち姿がすっかり気に入ってしまって、ふた鉢目に挑戦。先日の花木センターではなく犬の餌を調達するホームセンターだったので、パープル・・・以外は在庫が無く、ひと鉢目とは異なる組み合わせになった。
 センターポイントには同じくパープル・ファウンテン・グラスを据え、その左手前に濃いピンクの花のダンシング・コレオプシス:ガーネット(キク科プレオシス属)を配し、右側には厚手の濃緑の葉が存在感のある黄花のハミング・ブロンズ・ニッポン:プチダリア(キク科ダリア属)でバランスをとり、手前には、小さな吾亦紅のような花の千日小坊(ヒユ科)をふた株植えた。今回は、全てポットに花の名前がついていたので記録できたけれど、それにしても、カタカナの長ったらしい名前で、人に聞かれても、メモでも見なければとても答えられない。
 パープル・・・には穂が出はじめており、秋の風に小さく揺れている。
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2012年09月09日

寄せ植え

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 秋の草花を見に、と花木センターを訪ねたら、赤紫がかった芒が目に付いた。傍らに、それをセンターに据えた寄せ植えの見本があって一目惚れ。店員さんに訊いたら、芒ではなく、イネ科の植物だという。曰く、パープル・ファウンテン・グラス、英名:ペニセツム・セタケウム・ルブラン。イネ科チカラシバ属。ほかに、白い小さな花と珊瑚色の実のついている・・・、青紫の葉と実が美しい・・・。ポットに名前がついているものとばかり思い込んでいたので、それぞれの名前をメモしてくるのを忘れてしまった。いい感じに仕上がったので、もうひと鉢仕込みたくなったから、いずれその時に。
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2012年08月02日

ヤマユリ(断想)

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 ヤマユリの花は好きだけれど、その匂いが苦手だ、と言う人がいる。バラなどの、芳香を放つ花に比べると、はるかに濃厚な甘く饐えた匂いが鼻にまとわりつく。

「あら、頭にユリの花粉がついてる」
「気づかなかった。匂いがきついとは思ったけれど、君の匂いかなと思っていた」

 ヤマユリの花は好きだけれど、その雄蕊のつけた禍々しい色合いの花粉が苦手だ、と言う人がいる。
 
「ユリの花粉て、つけちゃうと洗ってもなかなか落ちないのよ。雄蕊、摘んでおくんだったわ」

 ヤマユリの花は好きだけれど、雌蕊の先端の、ぬめり気を帯びた様が苦手だ、と言う人がいる。

「ユリの花ってさ、どこか物欲しげな気味合いを感じるね」
「わたしを見ながら言わないで・・・」

 ヤマユリの花は好きとも嫌いとも言わずに、ヤマユリの根の甘煮は好きだ、と言う人がいる。そんな人は、きっと、ヤマユリの花の妖艶さに酔うのかも知れない。それを言うのは、なんとなく気鬱だと隠して。
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2012年05月04日

口紅藤

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< ---春は藤波を見る。紫雲のごとくして西方に匂ふ。>(『方丈記』)

 この季節、桜はすっかり葉桜となり、里山では、若葉の中に山藤の花が<紫雲のごとく・・匂ふ>。仰ぎ見て花を見るたびに、一枝なりとも庭に持って帰りたい思いにかられるけれど、山藤は庭で咲かせるのは難しいと聞いてまだ果たせずにいる。
 花の房に長短あって、その色にも青紫から薄紫、白や淡い紅色と色とりどりの中で、「口紅藤」という銘に惹かれて園芸店から小振りな鉢を買ってきた。薄紅色の花びらに萼のところだけかすかに紫色が残る。
 鉢植えのままでは水遣りなどの管理が心もとないので、いずれは地植えにと思うけれど、藤は土が合わないとしばらくは花をつけないとも聞くので、どうしたものか。
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2012年05月01日

ポピー劇場

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a.m.8:00 アイスランドポピーの蕾を見る。

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a.m.8:10 花苞が割れて、花びらが覗く。婀娜な女性の蹴出しのよう。

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 a.m.8:11 花苞が弾けて、花が姿を現す。



a.m.8:14 花びらが開き始める。ハラッ、ハラッと音が聞こえそう。

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a.m.8:18 花びら広がる。

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a.m.8:21 雄蕊、雌蕊が顔を出す。


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a.m.9:00 花びら開ききり、蕊も立って、生き生きと陽射しを浴びている。
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2012年04月07日

ヒメコブシ

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 小庭のヒメコブシは、やっと五分咲き。膨らんだ蕾から咲き初めの花までは少し濃い目のピンクで、開ききって散る頃にはほとんど白色に近く色が抜ける。今年は、蕾のうちから晩霜に当たったせいか花びらの先が茶色く枯れ色になっているものが多くみえる。
 年を経た樹木は老い木と言うけれど、散るに散れずに木に残り、色あせてゆく花を何と言うのだろうか。桜には姥桜とあって、年増女のあだっぽい色香を思わせる言い方もある。落花狼藉も、落花流水もこれみな桜の花に事寄せた言い方らしく、謡曲にも、数多、桜にまつわるものが見受けられる。
 今年の桜見は、「桜川」に謡われた桜川を訪ねたい、と謡曲全集を開きはじめたところ。 
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2012年03月14日

梅二分咲き

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 小庭の白梅が、やっと花開いた。今年は、陽気を待って次々と咲く、とはいかないようだ。関東北部では、この冬一番の冷え込みで、最低気温が零下十何度と報じられているくらいだから、梅の一輪一輪に一喜一憂などしていられない。とは言うものの、蕊の立った緑萼種、月影の花は凛々しく美しい。見れば元気がもらえる。
 
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2012年02月21日

冬ばらの・・・

P2210886.JPG 潦(にわたずみ)などと洒落るほどの庭ではないけれど、このところ雨が降るたびに小庭にできる水溜りが気になる。
 先日、市役所に計ってもらった、雨樋が集まる雨水枡の放射線量が予想以上に高かった。
「小さいお子さんはいらっしゃるんですか?」
 通常は、地上1メートル高のところで空中線量を計るらしいのだけれど、あちらこちらで雨落ち箇所の線量の高さがニュースになっているからと、無理を言って測定器を地面近くに置いて計ってもらったとたん、係員に訊かれた。
 このうえは、溜り水をつくらないようにと浅く溝を掘った庭先に、ロウバイが満開に咲いている。青空をバックに見る薄黄色な半透明の花びらが美しい。甘くかすかに芳香が漂っている。隣には、家人お気に入りのバラの蕾が寒さに花弁を閉じたままドライフラワー状になっている。

 冬薔薇の咲くほかはなく咲きにけり 日野草城

P2210910.JPG 「ふゆばら」、「ふゆさうび」は冬の季語。< 四季咲きバラなどで、冬に入ってからも名残りの花を開くさまをいう。>(『日本大歳時記』)とあるから、咲いてこその物言いなのだろうけれど、咲かずに冬をやり過ごしてしまった花を賞でることばはないものかと尋ねたら、

 冬ばらの蕾の日数重ねをり 星野立子

とあった。
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2011年11月27日

ホウキグサ

 PB270833 (450x300).jpg 夏の間は爽やかな緑を楽しみ、秋には深紅に紅葉して小庭に彩を添えてくれた鉢植えのコキアが枯れた。「畑のキャビア」は?とまさぐってみたけれど見当たらなかった。園芸種では無理なのかもしれない。
「これ、コケ庭の箒にいいんじゃない?」という家人の提案で思い立ち、株の根元を銅線で縛ると、そのまま手作り箒が出来上がった。早速コケの上に降り落ちたコブシの葉を掃き出してみる。柔らかからず硬からず、コケを傷めることなく簡単に掃除が出来た。手に伝わる感触がなんとも言えないほど優しい使い心地。今までは、落ち葉を一枚一枚、手で拾いながらの作業だったので、手のかじかむ寒さの日は結構億劫に感じていたから、なんとも重宝なものを手に入れた、と喜んでいる。
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2011年10月16日

柿の実

PA160824 (450x278).jpg 雨があがって、柿の実の色が一段と深くなった。
 名残の雨粒が枯れ枝に宿っている。
 裏山の靄が切れ始めるのは、まもなく天気が回復する兆し。
 夕陽がこの山に沈む前のひと時、赤とんぼの乱舞が見られる。
 来月には、この里山にも紅葉の季節が訪れる。
 見晴るかす展望がない分、凝縮した時間が流れるように思う。
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2011年07月16日

梔 子

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 ある時から、植物の名前はカタカナで表記するようにしているけれど、何故か漢字で書きたくなるものがあって、梔子もその一つ。辞書なしでは書けないうえに、ひょっとすると読みさえ失念していたりするのに、クチナシはやはり梔子と書きたい。ほのかな香りと花弁の底抜けの白さに気品さえ感じて、その全体像の納まりがいいように思えるからだ。
 しかし、開花を待っても、汚れのない純白の花弁は少なく、直ぐに黄色味を帯びた茶色に変色してしまう。

 口なしの花はや文の褪せるごと  中村草田男

 達人の「口なし」は、実が熟しても裂開しないことの呼びならわしをそのままに、時の移ろいの無常感と存在としての色の儚さを見事に詠み為している。
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2011年07月09日

ヤブカンゾウ

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 学名の一部をとってヘメロカリスと総称される園芸品種は、2万種に近いといわれるそうだけれど、原種とも言えるヤブカンゾウは、この花に限る。
 弁化した雌蕊、雄蕊が、本来の花弁に重なって複雑な八重咲きの花を見せる。ものの本によると、雌雄の蕊が弁化するのもそうだけれど、顕微鏡で拡大してみる雄蕊の花粉は大小さまざまで授粉、受精には不適、とある。それが、進化なのか退化なのか、弁化した蕊がひときわ濃い黄赤色になって、緑の叢の中で咲いている。
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2011年06月15日

エノテラ・アフリカンサン

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 透明感のあるレモンイエローの花弁に魅せられて求めた花。以来7、8年ほど、手入れもせずにその時の粗末なプラスチック製のハンギング型の鉢に入れたままにしているのに、か細い葉茎にも似ず、強かに毎年沢山の花を付ける。
 最初の花が終った頃に名札を失くして以来、その名を覚えずにいた花だったけれど、今回、「黄色い花」でネット検索して、その名を思い出した。別名、昼咲き西洋月見草。
 咲き終えた枝を切り詰めれば、年に2回は、花を楽しめる。
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2011年06月14日

麦わらトンボ

P6130266.JPG メダカを飼っている水鉢に生えたガマの葉茎に、麦わらトンボが止まっているのを見つけた。あのすばしこいはずのトンボが、近づいてもピクリともしない。どうしたことか、羽根がずぶ濡れ、大きな水滴が付いている。こんなトンボの姿を見るのは初めてだ。
 あ、もしかして・・・。
 先月の末に、水鉢の水替えをした。底に溜まった落ち葉やごみを浚っていると、小3の孫君が、トンボの幼虫のヤゴを見つけた。
 ヤゴって、きれいな流水でなくても大丈夫なのか、こんな溜り水で、餌は何を食べていたんだろう。
 あ、もしかして・・・。
 メダカは、確か15匹いたはずなのに、1、2、3・・11匹しかいないぞ、ということは・・・。

P6130287.JPG あのヤゴが羽化したのだろうか。夜来の雨は、明け方には止んでいたし、だいいち、すばしこいトンボが、こんなに雨に羽根を濡らすはずがない。水鉢から這い上がってきたに違いない。でも、抜殻が見当たらない。残念ながら、羽化の瞬間は見ていないので自信はないのだけれど・・・。


P6130289.JPG a.m.9:00 麦わらトンボ見つける。羽根に水滴。
< この間、トンボ動かず >
a.m.11:20 羽根を震わせて、水滴を払う。
< この間、トンボ動かず >
a.m.11:40 前脚でしきりに目玉を拭うしぐさ。
< この間、トンボ動かず >
p.m.12:00 水鉢の上にまで枝を伸ばしているコブシの木から、ポチャンと大きな音を立てて、実が落ちる。トンボに当たったらどうしよう、と心配になる。
 この間、薄日が射してきて、蒸し暑くなる。目を離せないので、カミさんに言って、スケッチ用の折りたたみ椅子、麦わら帽子、タオル、冷たいお茶を運んでもらう。
「次は、何がご入り用?」
「あ、ストップウォッチ」
 昼食も、そのまま観察を続けるために、サンドイッチにしてもらう。

P6130297.JPG p.m.12:50 止まっていたところから10pほど上に、ツツーッと位置を変える。最初に見た時よりも、目玉が艶を帯びてきて、身体全体にも生気がみなぎってきた感じ。






P6130302.JPG p.m.13:09 「あ、ああ〜〜」。何の前触れも、予備行動もなく、ツイッと、ガマの葉茎を離れ、見る間に大空へと飛んで行ってしまった。瞬間、呆気にとられて、飛翔の雄姿をとらえることが出来なかった。
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2011年06月03日

ニゲラ・ダマスケナ

 今年は草丈も伸びて生え揃い、わくわくしながら花を期待していたチドリソウが、先日の台風2号の強風でなぎ倒され、ばらけたまんま、ぽつぽつ咲き始めた。濃い青紫色のもの、薄い水色に近いものとある中で、今年は白に近いものが一株生まれた。もともと白花ものがあるものなのだろうか、その時の気分で色変わりするものなのだろうか、いずれにしろ去年までは見られなかったものだから、我が家の小庭では変異種か新品種、といったところ。
ニゲラ.JPG 去年、知り合いにもらった種を播いて置いたニゲラ・ダマスケナが、今、庭一番の青い花。
 こんなか細い葉で十分な光合成が出来るのかしら、と心配になるほど細い糸状の葉が涼しげに風にそよいでいる。
 この花、花と見えるのは実は萼片で、本来の花弁は退化してよく見ないと分からないと聞いたけれど、よく見てもわからない。アジサイなどもそうだけれど、きれいな色、形をしている部分を総じて「花」と見て、何の不都合があるのかしらん、といつも思う。
 ときには、ショクブツガクが邪魔になることもある。
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2011年06月02日

小さな花

ヤブムラサキ.JPG 友人に頼んで山採りして3年目、小庭の土質に馴染んできたのか、ヤブムラサキが沢山の花芽を付け、今日、そのうちの一輪が咲きはじめた。径1cmにも満たない小さな花だけれど、濃い紫の花弁に白い雌蕊、黄色の雄蕊と、色のセンスがよく、愛らしさの中に見えるその配剤の妙に感じ入ってしまう。
 秋に色付く紫の実のあの色は、どこから来るのだろうか。
 ここ2、3日、低温の日が続いているせいか、大半の蕾は、まだ柔毛に被われた花萼に包まれたまま。
ナツハゼ.JPG こちらも小さな花を咲かせている、ナツハゼ。秋の紅葉も美しいけれど、今の時期、若芽の朱色も負けず劣らず。
 去年の秋の実生りがおもわしくなかったので、この春先に地植えにしたら、やはり枝振りからしてその勢いが違う。
 秋には、鉢巻を巻いた紫紺の実が鈴生りになるはずだ。
 
 こうして、幾許かの感傷と喜びの想いを寄せて、小庭の小さな花を見ている。
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2011年05月19日

動かざること

 蓑虫の留守かと見れば動きけり  星野立子

ミノムシ.JPG 小庭のクヌギの枯葉がやっと落ちつくした。
 落葉樹なのに、去年の枯葉がいつまでもくっついて離れず、周りが新緑に彩られる中、茫々と五月の風に吹かれていた。焦れる思いでいた分、陽を浴びるクヌギの若葉が美しく見える。 
 となりのコナラは、とうに瑞々しい緑を輝かせている、と目をやると、やや、枯葉が2枚残っているではないか。なんと無粋な、むしり取ってくれる。意気込んで脚立に上ってよく見ると、蓑虫の巣だった。それにしても大きい。5センチは優にありそうだ。ふたつ仲良く並んでいる。まだ冬眠中なのだろうか動く気配がない。首を出してお隣さんに気付いたら、縄張り争いなどにならないのだろうか。
 手元の歳時記によると、「巣にこもって越冬し、雄は春になると成虫の蛾になって袋からでるが、雌は袋の中で一生をおくる」 とある。。
「蓑虫」は、俳句の季語では秋の部にしわけられている。枝にぶら下がって秋風に吹かれるさまが哀れを感じさせ、俳意に添うらしい。
 以上の如く、冒頭の句は秋の句だけれど、今の季節にもそのままそぐうように思える。ふたつの袋の巣はどちらも寡婦で、じっと動かずに孤閨を守るとみれば、こちらの方により哀れを感じてしまうのは、下司の勘ぐりになるだろうか。
 
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2011年05月15日

花の咲くころ

 スノーフレーク.JPG 
 この頃の季節になると、前年の花時に買い求めた草花の鉢物を始末するのが一仕事になる。
 名札も色あせ、そのまま枯らしてしまったものの土を入れ替える。
 手入れに忙しい、と言えないのは残念だけれど、なに、草花は大半が一年ものだからやむを得ないなどと勝手に心に決めて、鉢を空ける。
 毎年、そんな鉢が5、6個は並ぶ。
「花がないと、やっぱり寂しいね」と、家人と二人言?。
 
 で、薫風に誘われて、那珂市にある、‘Fairy Garden’へ行ってきた。バラとクレマチスを数多く扱っているので有名らしい。
 300坪はあるだろうか、オープン・ガーデン形式の店で、周りも開けているのでとにかく開放的で気持ちがいい。一見、「えっ!?」と思うくらい、グランド・カヴァーと言おうか下草と言おうか、スギナ、ドクダミ、オオバコ、カラスノエンドウなどなど、いわゆる雑草が繁茂している。だから、敷石を設えた園路を行くと、「あ、こんなところに・・・がある」。逆に嬉しくなってしまう。
「独りでやってますんで、草引きが間に合わなくて、アハハハ」と、女性店主が快活に笑う。店自慢の商品でもあるガーデン・ブーツを履いて、腰にハサミケースを提げて、かっこいい方なのだ。
 リグラリア・ミッドナイトレディー&コリダリス・チャイナブルー.JPG 
 木の下闇に、そよっと咲いていた青い花、コリダス・チャイナブルーの苗と、ツワブキの変わり色もの、リグラリア・ミッドナイトレディを買う。リグラリアは、大きくなるにつれて全体が濃紫色になるもので、花もオレンジに近い黄色、と聞いた。
 冒頭のスノーフレークは、時季外れなので来年まで待たねばならないそうで残念。他に、クレマチス・モンタナ系のマーガレット・ジョーンズ一重咲きものは、入荷の連絡待ち。
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2011年04月30日

ライラック

 P4270073.JPG   
 一昨年、小庭に植えたライラックの花付きが思わしくない。去年はとうとう花を見ずに終わってがっかりしてしまった。今年も、これは、と思った新芽が全部葉っぱに化けてしまって、花は咲きそうにない。
 で、先日、花木センターに行って、幼木ながら花の房を沢山付けているものを買ってきて植え足した。
 チャチな小鉢のものなのに、これ以上は無理です、と言わぬばかりで枝いっぱいに花を咲かせている。
 やはり、プロの仕立ては違うと感心する。
 
 四月は残酷極まる月だ
 リラの花を死んだ土から生み出し・・・

 やはり、そうきましたか。
 朝日新聞別刷りのBe版では、毎号、高橋睦郎氏の‘花をひろう’が楽しみで、四季折々の花々と、それを詠った詩歌が紹介される。
 4月30日付けでT.S.エリオットの『荒地』が登場するのも、今年の3、4月を思えば、まさに「残酷極まる」。

---欧米では一般に不吉な花とされ、病人の見舞いには厳禁。エリオットが残酷極まる月、四月の象徴としたのも、根は深い。

 慌てて、花言葉を確かめる。 
 こんなときに頼りになるのが、「花言葉事典」さんで、さっそく引かせていただくと、ライラック(英語読み。フランス語読みではリラ)の花言葉は、「友情」、「思い出」とあり、紫花の特記として、「初恋」、「初恋の感激」、「愛の芽生え」と、4月の花にふさわしいものばかり。
 瑞々しい緑の若葉と甘く仄かに匂う桃紫色のライラック、リラの花が、欧米では、何故不吉の象徴とされるのか、エリオット氏がかくまで忌み嘆息して詠うのにはどういう訳があるのか、『荒地』は難解な詩行でありますれば、さてさて・・・。
posted by vino at 19:09| Comment(0) | 庭には・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする